誠和会が映画「人生フルーツ」上映会に参加いたしました

誠和会が映画「人生フルーツ」上映会に参加いたしました

(アイキャッチ画像:人生フルーツ公式サイト ⇒ http://life-is-fruity.com/ より)

 

農ある暮らしを応援する匠の職人の会「誠和会」では、2018年8月18日に、埼玉県加須市で農業を軸にコミュニティを展開している農業生産法人誠農社主催の映画「人生フルーツ」上映会に参加いたしました。

 


 

今回の映画「人生フルーツ」上映会を開催するにあたった理由を、上映主催の誠農社 鈴木学常務からのお話でスタートしました。

2018081801-seiwakai

誠農社は「農ある暮らし」をコンセプトに、住まう人々の健康な食の提供と共に、単に生産物の販売のみでなく、「農ある暮らし」は仕事を含めた生活全般の在り方として、「半農半X的生活」(自らの農の営みにより、安全な食の生産・消費による生活への安心 + 自由な精神と天職による経済的自立)が可能になる食住の提案を行っています。

 

この映画に出てくる津端修一さん・英子さんご夫妻は、90歳・87歳のご高齢でも、かくしゃくたる姿勢で生活しています。

庭には100種類を超える野菜や果樹を植え、世話、収穫、料理、さらに堆肥作りと、

「自分でできることは自分で」

「自然に逆らわない生活」

「土から生まれたものは土に返し、孫の世代にもっといい土を残す」

という生活を夫婦でされていました。
(撮影中に修一さんは亡くなられました)

 

この映画「農ある暮らし」のひとつの一面をご覧いただいた方がたが、それぞれに何か感じるものが残ってくれたら・・・という思いで上映会の企画にいたったのだそうです。
自然と共に暮らすことと「農ある暮らし」は切り離すことのできない、私たち日本人の生き方ではないかという問いかけをされました。

 


 

続いて、この映画の舞台である、愛知県春日井市高蔵寺ニュータウンをはじめとする戦後の日本の都市開発に関わった、住宅公団(現UR)で活躍された舘内正敏氏より、大先輩にあたる津端修一さんの映画上映ついてお話がありました。

2018081802-seiwakai

館内さんは、自身の公団勤務時代を振り返り、都市開発は計画的に行うものだが、日本の各地の土地は活かされておらず、場所を活かす哲学について考えてもらいたいと話されました。

日本の自給率は、

昭和14年 86%
昭和21年 88%
昭和40年 73%
平成15年 40%

となっており、数字を見ると驚くものですが、人口が現在の半分であった戦前と今を比較すると、国内生産量が減少しているわけではなく、廃棄されるものなど、無駄が多くなっており、生産物が最適に有効に消費されていないことが問題であると提起しました。

 


 

「人生フルーツ」の上映開始です。

2018081803-seiwakai

 

高蔵寺ニュータウン計画は、高蔵寺自衛隊の移転に伴う自衛隊跡地の有効利用と、伊勢湾台風の甚大な被害を受け、人間はどこに住んだらいいのか?という議論の元、日本の高地に住宅建設をするというニュータウン計画が持ち上がり、スタートしました。

当初、マスタープランの作成者として、津端さんは都市開発にあたりました。

東京大学(東大時代はヨット部のキャプテン)を卒業し、海軍に入隊し、戦闘機を設計してきたエリートでした。

自然のままにあった山や木、水といった土地を後世の人々にもわかるように、尾根に沿った区画割りなど開発後も、もともとの土地の原型を守りたいと、津端さんが設計されたそうです。

結局は、自衛隊移転も頓挫し、さらに、プランに沿った「こんな形の造成はできない」と、業者から反発を受け、手に入れることのできる安い土地に簡単にできる建築方法へと変更され、川は埋め立てられ、谷は削られ、全く違うものができあがったそうです。

その現実を見て、高蔵寺ニュータウン傍に土地を買い、偉大なる自然とつながる家作りをし、そこで暮らしてきました。

ニュータウンの裏手の高森山は、開発によって、はげ山にされましたが、「高森山どんぐり作戦」と銘打って、40年前に地元の小学校の校長先生を仲間に、子どもたちと植樹したどんぐりの木は、高森山に緑を取り戻すことができました。

「人生フルーツ」の津端夫妻は、自分で作りだしたものを無駄なく使い切った生活をされています。

この生活を人生を、淡々と丁寧に描いたドキュメンタリー映画です。

 


 

この写真は、作中のワンシーンでも映し出されている「ドールハウス」の写真です。

公益財団法人 放送文化基金公式サイト内
〈「人生フルーツ ある建築家と雑木林のものがたり」の舞台を訪ねて〉
堀川 とんこう氏 エッセイに掲載されています。

孫娘が「ドールハウスが欲しい」と言った際に、プラスティックでできたオモチャではなく、自分で設計をし木を使い作ることを提案し、一緒に工作した大きなドールハウスです。

http://www.hbf.or.jp/magazine/article/hbf2016_vol6

 

このドールハウスは、子どもたちにとっては、自分だけのおうち、自分で考えたおうち、自分が生きていきたい(人生)と思うおうちのイメージ(夢)であるのではないかと感じました。

子どもが成長し、大人になり、たくさんの壁や挫折に出会うことでしょう。
その時に、おじいちゃん、おばあちゃんの家にいつもある木のドールハウスは、疲れた自分を奮い立たせるような自分の神様のような象徴となるのではないかと思いました。

 

繰り返される樹木希林さんのナレーション

風が吹けば 枯葉が落ちる
枯葉が落ちれば 土が肥える
土が肥えれば 果実が実る
こつこつ ゆっくり

この言葉は、子ども時代に歌った「山賊の歌」(田島弘作詞・小島祐嘉作曲)を思い出させます。
雨が降れば 小川ができ
風が吹けば 山ができる

大自然の中で生きている人間。
時は使うのではなく、時をためることで分かること。
人生の彩りは、農あるくらしの中に、いっぱいいっぱい込められていることを再認識した映画上映会でした。

誠和会では、こうした農ある暮らしの一場面を拝見することで、住まう人たちの顔を想像した家づくりに役立てていきたいと考えております。

 


 

 

参加企業

有限会社ビーサポート
(〒349-0114 埼玉県蓮田市馬込 1-130 Ⅰ-203 TEL 048-610-8321)
⇒ 「あらゆることのお助けマン!有限会社ビーサポート」

-----

農業生産法人 株式会社誠農社 HP
〒347-0026 埼玉県加須市油井ヶ島1393番地1
TEL:0480-53-4651(9:00~18:00) FAX:0480-53-4652

窓口 エシカル合同会社 http://ethicalgp.com/