寒仕込み手前味噌の作り方

寒仕込み手前味噌の作り方

 

味噌は醤(ひしお / ジャン)- 穀醤(こくしょう)の仲間

 

味噌は日本独自のものですが、穀醤(東アジア、東南アジア各地にある大豆やその他の豆・穀物を原料としたペースト状の発酵調味料 - 中国の豆板醤、韓国のコチュジャンを唐辛子味噌と呼ぶ)に類似していることから仲間として扱われることもあります。世界で見てもアジア特有の味噌は「Miso」、味噌汁は「Miso Soup」と呼ばれ、海外の方にも親しまれています。

味噌は世界に誇る アジア - 日本の伝統食ともいえるのではないでしょうか。

味噌の主な原料は大豆と塩と麹です。
穀物や麹の違いでできる味噌の種類が変わります。
穀物に黄麹菌などの麹菌を繁殖させた麹や塩を混ぜ合わせ、発酵させることによって大豆のタンパク質を消化しやすく分解し旨みの元であるアミノ酸を多量に遊離します。
穀物由来の麹が増えるとデンプンが糖に変わって甘味が増し、大豆が増えるとアミノ酸による旨味が増します。
原料により豆味噌、米味噌、麦味噌など、地域、種類により赤味噌、白味噌、合わせ味噌(調合味噌)など種類豊富です。

 

味噌はおかずだった!味噌の歴史

 

味噌は、古くから日本の食生活における主な蛋白源でした。
江戸時代中盤以前は「おかず」的扱いで、現在の「おかずみそ」・「ねぎみそ」・「ピーナッツみそ(みそピー)」・金山寺味噌・豚味噌(アンダンスー)・魚味噌・朴葉味噌など、多数の味噌加工品があり、日本料理に欠かせないものの一つとなっています。
江戸時代の『本朝食鑑』では味噌は万能な健康食品として扱われ、味噌汁は「医者殺し」と言われていました。

20180128-049

戦前の東京では、早造り仙台味噌(早仙)が普及し、第二次世界大戦中には、食糧統制下で全国味噌組合方式(全味式)へと発展し、配給味噌の基準製法になりました。
大戦中の1944年(昭和19年)、中田栄造(マルマン (味噌製造)創業者)が醸造中の温度管理の適正化を進めた中田式速醸法を開発。
なんと、醸造時間を20日とすることも可能となったのです。この速醸法は、中田の信州味噌の醸造法とともに、戦後、全国に普及していきました。

昭和30年代後半までは、農村においては多くの農家が味噌を家庭で作っていました。
が、昭和40年代の高度成長期とともに自家製味噌は減っていき、その後、20年近くは、一般家庭では仕込み味噌とよばれる味噌を買い発酵と熟成は家庭で行うようになりました。

また、酒屋、三河屋と呼ばれる食料品店では、1970年代(昭和40年代)まで、醤油や味噌が樽から量り売りされていました。
流通の変化により、量り売りから現在の袋やプラスチック容器などのパッケージに入ったものに変わっていったのです。

 

味噌作りの日は納豆厳禁

 

納豆菌が移らないように、日本酒、味噌、しょうゆを作るメーカーの従業員は納豆を食べないそうです。
納豆菌は酸にも熱にも強い芽胞といわれる状態で存在し繁殖力が高く、麹菌に納豆菌が入り込むと醤が上手く作れません。
芽胞というのは胞子膜、皮層、芯部から成り立つ細胞のことで、これらは高温殺菌などを施す環境では胞子膜のバリヤーを張りおとなしくしていますが、快適な環境になると膜を外して繁殖をしはじめます。

納豆菌は100度の熱湯でも死滅せず、逆に高温にさらされると発芽するくらい強力なので、ご注意ください。

 

味噌作りに最適な時期

 

昔から「寒仕込み」というように、味噌作りの時期は雑菌が繁殖しにくい1月~2月に仕込むのが一般的で間違いありません。(暖房の効いた屋内に保存したら寒仕込みの意味が薄くなるので要注意)

20180128-000

夏場など雑菌が繁殖しやすい季節は味噌の仕込みには向きません。

手前味噌という言葉の語源は自分の作った味噌を自慢し合うこと。
手づくりの手前味噌を作ると、ほんとうにそのおいしさに感動すること間違いありません。
また3.11の震災以来、国内の環境について心配され、味噌の成分がもつ解毒作用を期待して味噌を食べる方の数が増えました。

 

味噌作り名人 小田切先生直伝の味噌作り

 

小田切先生直伝の味噌は、大豆:麹:塩=1:1:0.8で作ります。

miso-odagiri

麹はもちろん、誠農社の漢方農法米から取った米麹を使っています。
そして小田切先生が手をかけて育ててくれた漢方大豆と岩塩で1年間寝かせます。
できるだけ空気を出すことが、カビなどを防ぎ美味しいお味噌を作るミソです。
9月頃に天地変えという味噌をひっくり返す作業をすると益々おいしさが増します。

味噌を入れる器は陶器のかめがおすすめです。
プラスチックやガラスよりも陶器のほうが光を通さず断熱性があり、味噌が変色しにくくなるからです。
味噌作りの会で作った味噌は、冷暗所か冷蔵庫で、半年ほど保管いただくと食べられますが、1年間寝かしていただくと美味しく食べられます。また2年、3年と熟成すると、さらに味がまろやかになります。

 

味噌作りの方法

 

① 材料について

・大豆:漢方農法で作った大粒の大豆を使います。大豆の水の炊きが味噌作りの重要ポイントなので、前日に大豆をしっかりと洗います。大豆の汚れや油で水が濁るので、水が透明になるまでしっかり洗い、三倍量の水(多い分には全く問題ございません)に18時間以上つけておきます。

・麹:漢方農法米の米麹を使います。麹は生き物です。ご自宅で味噌を作る時は、長時間の保管は避けてください。麹は醗酵すると熱を発するので、それにより麹が焼けてしまい『焼け麹』という状態になってしまいます。

・岩塩:市販のあら塩を使います。

20180128-054

 

② 大豆を火にかけます

20180128-052

・十分に大豆が水をすった状態であっても、大豆を煮るとまだ大豆は水を吸って膨らもうとします。十分な水分が必要なので、大豆を煮るときには大豆の量の1.5倍の水量で十分に煮ます。沸騰して鍋からあふれることがあるので、煮ている時は鍋のそばから離れないようにしましょう。灰汁(あく)を取りながら、水が少なくなったら水を足していきながら、大豆が親指と小指で簡単につぶせるくらい柔らかく煮ます。煮加減をいい加減にすると、混ざり方が悪くなり、発酵するはずの味噌が腐ってしまうこともあります。

 

③ 麹と塩を混ぜ合わせます(塩きり麹)

kouji-shio

・大豆と麹と塩を混ぜ合せて味噌ができますが、それぞれを別に入れると、混ざり方が雑になってしまい均一に混ざりにくくなります。そのため、予め麹と塩を混ぜあわせておき、炊き上げて潰した大豆をその中に入れて混ぜ合わせます。

 

④ 大豆が煮えたら、しっかりと潰します

20180128-044

・煮えたばかりの大豆は熱いので火傷に注意して、マッシャーで潰します。3キロ程度でしたらマッシャーでも対応できますが、5キロ以上でしたらミキサーなどを利用した方が疲労が少ないかもしれません。

 

⑤ 大豆と塩きり麹(③)を混ぜる

20180128-015

・麹と塩を混ぜたもの(塩きり麹)に潰した大豆を混ぜ合わせていきます。この時に、大豆と麹、塩をよく混ぜ合わせましょう。混ぜ方が甘いと大豆と麹が十分に混ざってないスポットができてしまい、その部分だけ腐ってしまいます。混ざり具合がとても大切なので気持ちとしては、これでもかと思うくらい丹精込めて混ぜてください。この時の混ぜ合わせた硬さは『耳たぶくらいのやわらかさ』や『小指がすんなり入るくらい』といわれます。混ぜる容器は大き目の方が容易になります。

 

⑥ 味噌玉を作る

20180128-040

20180128-002

・混ぜ合わせた味噌を団子状に丸めます。これは容器に入れる際、空気を抜いて詰めるためです。味噌玉をポンポンと投げ入れても良いし、手で押しこみながら詰めても大丈夫です。コツは、空気を抜く感じです。

 

⑦ 味噌を密閉して容器を閉める

20180128-020

20180128-056

・カビを防ぐため、表面一面に岩塩を振ります。そして、空気を抜いたビニールの口をしっかりと閉めます。味噌は『好気性』『耐塩性』という特徴をもったカビが生える傾向にあり、味噌の表面を密閉することと重しをすることでカビを生えにくくします。重石により表面が密閉され、味噌の水分が上部にまで押し上げることが可能になります。水は上から下に流れますが、重石は水分を押し上げる役割を果たします。味噌にカビが生えにくく、カビが生えたとしても容器側の部分だけで済む可能性が高くなります。

20180128-039

 

⑧ 味噌の熟成をひたすらに待つ

・冷暗所か冷蔵庫で半年ほど保管していただければ食べられますが、1年後が最適です。また、2年、3年と熟成すると、さらに味がまろやかになります。天地返しといい、別の容器を用意し、上下を逆にすると満遍なく混ざり合い味が均等になります。

・1年後、各々の手前味噌を持ち寄り、味比べをするのも楽しみですね。

20180128-036

 

 

 

職人さんたちの活躍をシェアーお願いします!
Tweet about this on Twitter0Share on Facebook0Share on Google+0